【アトラスコラム】 第15回
アトラスコラム
第15回
「アトラスターズOB紹介」
~マッスル研究者 伊田 暁人~
今回のアトラスコラムはアトラスターズOBの伊田さんに執筆いただきました。
普段は匿名で掲載しておりますが、内容に応じて筆者開示しております。
アトラスコラム第11回の大須賀さんのように競技を辞め、さらに脱サラしたあとも社会で活躍している伊田さんの興味深いコラムになっております!!
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伊田暁人と申します。
2017年に現・横河計測に入社し、2019年9月に退社するまで横河グループおよびアトラスターズにお世話になりました。
アトラスターズの同期入団は佐藤(公彦)、佐藤(拓磨)、東森、正井、山田で私以外は皆現役でプレーしています。
今でも同期(先日引退した豊島も含めて)とは定期的に集まっています。
何について書けばいいか迷いましたが、「会社、ラグビーを離れて取り組んでいること」と、「アトラスターズでの経験が今の自分に活きているということ」について書かせていただきたいと思います。
まず現役時代の2年強を振り返ると、自分はプレーでは全くチームに貢献できない選手でした。
実力不足はさることながら、現役中に3度の前靭帯断裂を経験しラグビーをしている時間よりもリハビリをしている時間が圧倒的に長かったです。
リハビリをしては怪我をして、またリハビリをして怪我をして…
S&Cの田牧さんやメディカルの萩原さんをはじめとするスタッフのみなさんにはお世話に
なりっぱなしだったのに復帰もできず今でも悔いが残ります。
正直なところラグビーという面ではアトラスターズでの2年強は苦い思い出の方が多いです。
(菅平での合宿でもボールを使わずにひたすらリハビリをしていました)
〜会社、ラグビーを離れて取り組んでいること〜
ラグビー引退後は社業を続けながら2019年の夏に東京大学の大学院の入試に合格し、その後退社。2020年4月からは東京大学で筋生理学の研究をしています。
現在も博士課程で、筋肉がトレーニングなど外部要因の変化に対してどのように適応をしていくのか、を明らかにする研究に取り組んでいます。
研究室ではネズミを使って、ネズミにトレーニングをさせることによって筋肉の中でどのようなことが起きているのかを調べている人がいたり、私もそうなのですがヒトを対象にトレーニング中の生理学的な指標を測定することにより体の中で起こっていることを推察したり、様々な方法で筋肉という組織についてその全容を明らかにしています。
ラグビー選手は競技力向上のためにトレーニングをしていると思いますが、私の研究内容
についてざっくりと説明すると、みなさんが行うトレーニングプログラムの背景になるメカニズムを同定しているというイメージです。
自分の分野は基礎研究なのですぐに現場に活かせるようなものばかりではないのですが、いつか自分が書いた論文が田牧さんなどを通じてみなさんのプログラムにも反映されると嬉しいなと思ったりしています。
科学的というと「楽をして強くなる」みたいなイメージを持たれることも多いですが(実際に先日オフで体重が増えたという正井選手から楽に痩せる方法がないか問い合わせがありました)、私が研究している範囲では少なくともアスリートにおいて「楽をして強くなる」ことは一部の例外を除いてはあり得ません。
新たな知見によってみなさんのトレーニングがさらにキツくなってしまう可能性もあるのですが、それに関しては予めご容赦ください・・・
また2021年からは学業と並行しつつ代々木上原にてパーソナルトレーニングジムの経営を行っています。
ラグビーでの経験や、大学での研究で培った知識を活かしてより多くの方に健康を届けたいという思いから事業を始めました。
現在ではサービスを届けることができるキャパシティが限定されるパーソナルトレーニングという形態のみならず、誰もが手軽に健康を管理できるスマートフォンアプリ「OWN.」というサービスをローンチしたり、ダイエット本を執筆したり少しずつですが事業の幅を広げています。
身体を動かすことを中心に研究や仕事をしているという点ではラグビーとの関わりがないとも言えませんが、基本的にはラグビーからは離れて日々を過ごしております。
(2022年には東京大学で修士の学位を取得しました)
〜アトラスターズでの経験が今の自分に活きているということ〜
さて、冒頭で「ラグビーという面ではアトラスターズでの2年強は苦い思い出の方が多い」と書きましたが、これは自分の不甲斐なさからくるものでありアトラスターズでの経験は今の自分を形作る非常に充実したものでした。
私が入団した2017年シーズンのチームスローガンは「Commitment」(昨シーズンも同様であったと聞いています)だったのですが、その背景にはラグビー・チーム・環境・地域・社業など全てに対して全力で取り組むという意味がありました。
入団当時はライバルチームはプロ選手も多く必ずしも社員選手だけというわけではない中、アトラスターズは全員が社員選手だったので仕事をしてその後練習があるのが当たり前で、それに対して誰も文句を言うこともありませんでした。まさにラグビーのみならず身の回りのこと全てにコミットして高め合う雰囲気がありました。
この全てに対して全力でコミットするという態度を身をもって経験したことがアトラスターズでの1番の学びです。
学業とビジネスの二足の草鞋を履いている今の状況の中で、時間的・体力的にキツくなるときがたまに訪れます。
ですが平日の練習後ケアなどが終わったら日を跨ぐのも普通で、身体的にもキツかった選手時代を思い返すと今の環境など大したことはなく、与えられたタスクに全力でコミットしようと思い直すことができます。
まだ現役でプレーをしている同期や当時の先輩方のことを考えると、その努力に頭が上がらず、もっとがんばらなければ、と勇気づけられます。
偉そうに語れる立場でもないのですが、スタッフ含めチームの皆さんは普通ではあり得ないくらい大変なことを当たり前のようにやっていて、それが私を含め見ている人を感動させてくれています。
私の話に戻ると、学業とビジネスどちらにも全力でコミットしていると、学業で取り組んでいることがビジネスに活きたり(本の執筆オファー等)その逆で、ビジネスでやっていたことが学業に繋がったりとポジティブに働くことが多々あります。
当たり前に仕事とラグビーを両立する環境にいたからこそ、今の自分があるのだと思います。
アトラスターズで過ごす日々はそう長くはありませんでしたが、アトラスターズでの経験はこれからもずっと自分の土台です。
離れた場所からにはなりますが応援しています!!!
<筆者プロフィール>
伊田 暁人
東京大学大学院総合文化研究科 修士課程修了
同博士課程在籍
パーソナルトレーニングジムBulky Lab代表
パーソナルジムHP:https://bulky-lab.jp
監修アプリ:https://web.own-dot.com
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