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【アトラスコラム】 第12回

コラム

アトラスコラム

第12回

「なぜラグビーは、サッカーに遅れてしまったのか?」

~地域の中で愛されるスポーツチームへ

 

 

 

2015年、2019年のラグビーW杯での日本代表の大活躍によって、日本のラグビー人気が高まってきているのは間違いありません。しかしながら、昨年ワールドカップが大いに盛り上がった、もう一つの「フットボール」であるサッカーと比べると、まだまだ人気、社会への浸透度共にまだまだ及ばないのが現実です。

筆者はいわゆるシニア世代なのでよく覚えていますが、Jリーグが出来る前には、ラグビーもサッカーと同じくらいの人気度であって、早慶戦や早明戦は今以上のスポーツにおける一大イベントだったのです。

 

 

それが1993年にJリーグが出来て以降、「100年クラブ構想」の理念と共に次々創設されるJリーグチームの地域での浸透、人気、そして大々的に放映されるサッカーW杯での日本代表が全国区になるにつれ、サッカーはラグビーを置いてきぼりにしてプロ野球さえも超えるような人気スポーツになりました。

 

 

しかし、サッカーにしても順風満帆に人気を獲得していったわけではありません。紆余曲折があって今のサッカー人気があるのです。

 

 

時を遡って1968年、釜本、杉山などの名選手の下でのメキシコ五輪銅メダル以降、25年の長きに渡り、日本サッカー界も「暗黒の時代」が続いて、Jリーグ創設までは、Kリーグをいち早く創設した韓国にずっと負けっ放し、五輪にもワールドカップにも日本代表は出られませんでした。

Jリーグ創設時の一種のバブルの時代が直ぐに鎮静化し、「サッカーは点がなかなか入らないから面白くない」とサッカーファンは言われ続けたわけです。それがようやく国民的な人気となってきたのは、やはり2002年の日韓W杯頃からだと言って良いでしょう。

 

(*1 1968年メキシコオリンピック表彰式の様子)

 

さて、サッカー界におけるメキシコ五輪以降の「暗黒の25年」に話を戻しましょう。暗黒の25年となってしまったのは、逆説的に言えば「メキシコ五輪での大成功」が原因でした。代表、つまりトップチームだけを強化して大成功したその余韻が忘れられずに、それを継続・・・本来であれば、競技の人気の源であり、実態である各クラブにおける活動、すなわち「地域でのクラブ」という位置づけを疎かにしたからです。

 それがJリーグ創設以降は、育成体制、地域活動=100年クラブ構想、Jチーム数の拡大といった地道な努力を重ねてきて、その20年程度の年月の経過により、ラグビーに大きな差をつけました。

 

 

(*2 昨年末のサッカーW杯)

 

片やラグビーは・・・2015年ラグビーW杯で南アを破り大人気になりましたが、その人気も一時のものであって、ラグビー人気は継続しませんでした。2019年でやはり成績を残し、今度こそはリーグワンを何とか2021年からスタートさせることが出来ましたが、まだまだベースとなる地域での活動は不十分、これからと言う状況です。

 

 

 

リーグワンが出来れば、立ちどころに、Jリーグのように競技自体の人気が挙がり、またサッカーに肩を並べることが出来るというわけではありません。地域の起点となる「ホームタウン」ですら、リーグワンクラブが全く同じ町に複数あったり、関東偏在だったり、企業の名前ばかりが有名でホームタウンを決めたばかりで当の市民はホームタウンになっていることをほとんど知らなかったり・・・リーグワン発足当初の混乱がまだまだ続くでしょう。

 

 

 

競技の「上部構造」たる「代表の強化」だけでなく、「下部構造」たる「各クラブにおける地道な地域での活動」がこれからのラグビーに期待されているわけです。

 

 

さて、以上、ラグビー界について、サッカー界と比較して論じてきましたが、それでは、もっと身近な問題、つまり「アトラスターズ」について見ていきたいと思います。

 

 

アトラスターズが法人化し市民クラブ化に舵を切ったのが2017年、6年前ということになります。

6年前から、上記のようなリーグワンが置かれている今の状況を先取りして、一般社団法人を設立し「地域クラブ、市民クラブ」化を推進してきたのです。

 資金の多寡が強さに反映される世界では、横河武蔵野アトラスターズは現状、リーグワンのトップチームに強さの面で伍して戦える状況にはありません。しかし、女子、育成、アカデミーを持ち、「良いクラブ」を目指す志の高さでは、(多少手前味噌な言い方を敢えてすると)「日本一」と言っても良いのではないでしょうか。

 

(地域クラブ、市民クラブ化にむけて2023年も活動していきます)

 

 

 正直、まだまだ地域での周知度も低いし、実態として「市民クラブ」と言うのはおこがましい状況だと感じます。しかし、昨年、その第一歩として「ファンコミュニティ」を創設し、「無料会員」の募集も始めました。

 

詳細は以下よりご確認ください。

https://atlastars.yokogawa-musashino-sc.tokyo/signup 

 

地域を始めとするファンの皆さんには、こうしたクラブの状況や「理念」を共有いただき、「日本一の素晴らしいクラブ、地域に愛される総合スポーツクラブ」を作っていくのに力を貸していただければと思います。

 

 

 

 今後も、アトラスターズ、妹のアルテミ・スターズ、そして横河武蔵野スポーツクラブをどうぞ宜しくお願いします。

 

参考資料

*1:日本サッカー 100年の歴史https://100th.jfa.jp/history/

*2:公益財団法人日本サッカー協会 

フォトギャラリー [2022.12.06]FIFAワールドカップカタール2022 対クロアチア戦

https://www.jfa.jp/samuraiblue/photogallery.html?p=658

 

 

Photo by: @ayano2256

 

 

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