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【アトラスコラム】 第7回

コラム

アトラスコラム

第7回

「GameではなくBattleを」

 

12月10日(土)秩父宮ラグビー場、横河武蔵野アトラスターズはリーグ戦最終戦を32対27で勝利し今シーズンを終えた。リーグ戦は5勝3敗勝ち点22で3位という結果、昨年の戦績を上回ったが、4位、5位相手に4戦4勝、1位,2位には1勝3敗、上位に対して勝ち切れず、何か物足りない感じもするのは私だけだろうか。

ラグビーはここ数十年で変化が続き、昔(昭和?)とは全く違うものとなっている。まず基礎スキルから異なるし必要なフィットネスも変わってきている。プレーも細分化され、多くのスキルを15人全員が習得しなければゲームに対応できなくなっているので、一言でチームを推し量ることは難しくなった。

また、練習も変わった。プレーが細かく定形化してきたことで、様々なドリルによる繰り返しの訓練によって、スキル向上を図ることができるようになった。一方「定形化」ということは「みんな同じ」ということであり、ある意味レベルが平坦化してきた。私が昔から日本人でラグビーが「本当に上手い」という選手は、せいぜい全国で20人もいないと思っている。それは変化した今のラグビーでも同じである。ただし、全体のレベルは平坦化され上がっている、つまり多くの選手が「そこそこ上手い」という感じである。

(タックル練習)

特にアトラスターズが現在参戦しているトップイーストリーグAグループは「そこそこ上手い」の集まりである。その中で試合に勝利するチームになるためのポイントは何か。例えば、独特な戦略、戦術か…? 実は戦略、戦術も定形化され、一連のプレーがユニット化され、それらのどれとどれを組みわせるのかというようなことで自分たちの戦術としているだけで、戦術面で独自性を持たせることは難しい(変わったことはできてもそれで勝てるわけでもない)。

(試合の様子)

そんな中で、「試合に勝ち切れるチーム」になるためにはどうすればいいのか。一つはありきたりであるが、しっかりと「練習」することである。まずは定形化されたスキルを個人個人が磨くこと、そしてユニット化したプレーの精度を高めることである。特に他チームと差をつけたいのであれば、徹底的に拘って細部まで追い求めていく必要がある。もし今シーズンそこに拘ったのであれば、イメージしていたプレーの精度と実際の試合での結果において、どこに差が生じたかは自己分析しておくべきである。

さて、何か面白味のない解説が続いているが、一つ忘れてはならないことがある。昔も今も変わらないラグビーで最も重要で大切な要素。それはボールを持ったアタック側と、それを阻止するディフェンス側が体をぶつけ合うということである。私たちはこれを「接点」と呼ぶが、実はここでの攻防がゲームを決めるのである。

スキルやユニットの精度を高めても、それを思ったとおりのイメージで行なうためには、この「接点」を制さなければ試合を勝つことはできないのである。

では、その接点を制するためにはどうすればいいのか、これまたさらにつまらない話ではあるが、「練習」するしかないのである。ただ、接点強化の練習は簡単なものではない。体を強く当てるというのはある種の「恐れ」を取り除かなければならないので、まず自分が強い気持ちを持たなければならない。さらに、「ぶつかり合い」なので、自分だけではなく当たる相手も強くなければならないので、チーム全体が気持ちを高ぶらせないと強度は上がっていかないのである。私は長年いろんな練習を見てきたが、接点の練習に取り組む選手、チームが持つ「空気」が試合の結果に繋がっていると感じている。

(試合の様子)

一つ例を示せば、アトラスターズがトップリーグに上がる前年、トップイーストで優勝した時の練習である。私はあの殺気立った、そしてそれぞれの選手の何らかの「怒り」を感じる練習は忘れられない。正直今の選手よりもスキルやユニットの精度は低い(その当時の選手には悪いが、パスをするのを見たことがない選手もいる)。しかしながら、何か心の底から湧き出るような強い反発心、正に「怒り」がグランドに満ちた練習であった。そしてそれが他のチームを圧倒するものとなり、優勝へと繋がったのである。

私はプレーの精度の部分は、ある意味「Game」の要素であり、接点の部分は格闘技であるラグビーの原点である「戦い」の部分、つまり「Battle」なのではないかと考えている。当時のチームは「Game」がそれほどうまくはないが、「Battle」をして勝ち続けたのである。そう考えた時に、今シーズンのアトラスターズに何か怒りに近いような強いものがあったか、「Battle」をやったのか、ということは問うてみたい気もする。


(試合の様子)

今年もあとわずかになってきた。来年はW杯の年である。多くの「Battle」が繰り広げられる中の一つに、アトラスターズが強く輝くことを期待している。

Brothers in Arms…

 

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