【アトラスコラム】 第6回
アトラスコラム
第6回
愛着
(アトラスコラム第1回“スタート”の続き)
「お前らが社会に出て、大人になって、ラグビーが上手くて誰が褒めてくれる?就職した会社で評価されると思うか?」
当時私は入社してもう6年程経っていましたが、この言葉を聞いた瞬間、頭が真っ白になったのを覚えています。
この言葉は母校のOB戦で我々と同じイーストレベルの他チームでプレーをしていた私の先輩が、現役の大学生へ送ったスピーチの一部分です。
(アトラスコラム第1回“スタート”からの続きになります。)
第1回はこちら:https://atlastars.yokogawa-musashino-sc.tokyo/contents/565771
夢のトップリーグ(今でいうリーグワン)に上がれるかも?、ラグビーがただ楽しい、活躍もできる、仕事のストレス解消、チームメンバーといるのが心地いい…
「あれ、俺はそのために定時後や休日の時間を練習と試合に費やし、怪我や疲労で職場に迷惑をかけるリスクを負いながら、体育会を毛嫌いする意地悪な社員から白い目でみられているのか…??」
とグルグル考え始めるわけです。
ん??もしかして自己満…??
そこでふっと先輩の言葉が再び聞こえてきます。
「ただ楽しいだけでやるならやめた方がいいよ。時間の無駄。社会に出るお前たちの使命はなんだ?そもそも社会は君たちに何を求める?スポーツ選手云々じゃなく、人として社会に役立つ人間になることじゃないか?違うか?」
グサァー。いや、パイセン、ごもっともですよ…。
でもどうやって?社会に役立つって?てか俺役立ってるのか?笑
そもそもトップイーストにプロ野球やJリーグ程の影響力なんてないし…
「ラグビーを続けることでしか得られないもの…そこに他の人では得られない付加価値が生まれるんじゃないのか?それをお前たちは今のうちから必死に醸成しないといけないんだよ。上下のつながりや接し方、横のネットワーク、人の痛みを理解すること、忍耐力、目標を達成するまでのプロセス、チームワーク、リーダーシップ…俺たちはそこで違いを発揮しなきゃいけないんだよ。ラグビーをしていない人とそこに人間力の差を出して、仕事に活かして、社会に貢献するんだよ。その部分を期待されているから俺たちは社会人でラグビーをすることを許されていると思う。」
(平日夜の練習風景)
涙しそうになりました。
流石ラグビー人生全局面でキャプテンを担ってきた先輩の言葉は刺さります。
学生がいなければ泣いていましたね。
「そりゃあ毎日朝早くから終電まで働いているやつらと俺らでは差があるよ。でも10年後、15年後、現役生活を終えた後、そいつらとのギャップがなくなるくらいに追いつけるから。頑張って追いついて、追い越すんだよ。そのためにも今、人間力を高めるために頑張ってほしい。」
これは凄い話しを聞いた、と魂が震えました。
お恥ずかしいことに、そんなことこの時まで考えもしませんでした。
深く考えていなかった…いや、考えないようにしていたのかもしれません。
この出来事を機に、「あぁ、トップイーストって良いリーグにいるんだなぁ。」と愛着を持つようになりました。人間として成長できる場でもあると思えるようになったからです。
アトラスターズのみならず、同じ環境のライバルチームさえも愛着を感じるようになりました。私は毎年学生に対し、イースト所属のどのチームも本当に素晴らしいよ、とアドバイスします。
(休日の練習風景)
仕事もラグビーも家庭も…確かにしんどいです。正直言って両立なんて出来ていないかもしれません。
でも仕事もラグビーもやるから得られることも多いと思うのです。いや、多くを得ないといけませんね。
(コーチング陣も仕事終わりに練習に参加しております)
当然我々はリーグで優勝する、上位リーグへの入れ替え戦があるならそこで勝利する、といった目標に向かっていることは大前提です。
ファンやスポンサーの皆様を退屈させるつもりは一切ございません!!ご心配なく。
しかしその一方で、ラグビーをやる理由は他にもあるはずです。
理由はひとつではありません。
現役選手たちは今どんな気持ちでラグビーをしているか。
次こそはチームメンバーにインタビューしてみたいですね!笑
それではまた次回のコラムもお楽しみに!
Photo by:副務
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